コミックマーケットやYouTubeなどの普及に伴い、大手ゲーム会社やアニメ会社をはじめ、さまざまな分野の企業や団体が二次創作に関するガイドラインを制定しています。
「実際に販売したりしていいの?」というクリエイターの疑問に答える形で、レジェスタでも二次創作ガイドラインを作ることにしました。
今回のガイドラインは、トレーディングカードゲーム、テレビゲーム、スマホゲーム、ネットゲーム、Eスポーツ、アニメ、漫画、Vtuberなどの約50社のガイドラインを読み込み、以下のポイントを参考にして制作しました。
・レジェスタの方針に合っている部分
・他ではあまり見られないガイドラインの工夫
この記事では、各企業の二次創作ガイドラインの特徴や工夫についてご紹介します。

イラストがついていると読みやすい
文字情報だけが列挙されているガイドラインがほとんどの中、『BanG Dream!(バンドリ!)』のガイドラインでは、イラストを例として挙げており、読む人を飽きさせない工夫が施されています。

https://bang-dream.com/bdp-guideline
ガイドラインも1つの読みものなので、こういった最後まで飽きずに読んでもらえる工夫はいいなと思い、レジェスタの利用規約にも取り入れました。

また、株式会社COGNOSPHEREの「原神」のガイドラインでは、HoYoverseのシェアサイトにおいて最初に画像を挿入しています。ブックカバーのような役割を果たし、いきなり文字情報から入らない点が特徴です。この形式もレジェスタ内で採用しました。

https://www.hoyolab.com/article/1075541

方針の概要を最初に明記する
二次創作ガイドラインを読む人は、「これからその作品で何か作りたい」という思いを持つ方が多いと考えられます。そのため、作品が二次創作に対してどのような姿勢で臨んでいるかを冒頭に明記することが大切だと感じました。
東方Projectの二次創作ガイドラインでは、まず基本指針がトップページにあり、その後に条件や更新内容が掲載されています。
二次創作における方針も自分の考えている方針と近いため、このガイドラインを模倣し取り入れました。

https://touhou-project.news/guideline/

また、自分の読んだガイドラインの中に”クラウドファンディング”について言及しているものは東方Projectのみでした。
たしかにクラウドファンディングは金銭のトラブルが直接販売よりも発生しやすいと考えられるため、こちらも参考にさせて頂きました。

https://touhou-project.news/guideline/

コラボ先への配慮をする
「企業とコラボした別の作品」という意味のほかに、同人制作などで「クロスオーバー作品」(別ゲーム・アニメなどのキャラクターが同じ世界線で描かれる)ものにも当てはまります。
レジェスタのガイドラインには「複数の作品を取り上げる場合は、それぞれのガイドラインを確認してください」という文言を記載ました。

https://cf-vanguard.com/vg_guideline/

“非営利活動”の範囲とは?
多くのガイドラインには、「売り上げる金額は非営利活動の範囲内にとどめる」と記載されています。
しかし、「非営利活動」とは具体的にどこまでを指すのかについては曖昧な場合が多いです。
- 製造にかかったコストなどの原価を回収する程度
- そもそも範囲に関する文言がない
一方、ニトロキラル作品のガイドラインでは、非営利活動について具体的な金額や製造数を明記している例もありました。
こうした具体的な記載があるガイドラインは少数派ですが、金銭トラブルを防ぐ一助になると感じました。

https://www.nitroplus.co.jp/license/
しかし実際にはコミックマーケットやオンライン販売などで同人誌を販売し、生活の糧の1つとしているクリエイターも多いと考えられ、それらの方は厳密にはガイドライン違反となってしまいます。
そこでレジェスタでは「営利・非営利を問わない」という柔軟な言い回しを採用しました。ただし以下のような行為には制限を設けています
・資金力のある法人格が本腰を入れて製造・利益を得ること
・著作物をそのまま利用して利益を得ること
・明らかにファン活動ではない金銭目的の行為
“ファンではないと考えられる金儲け”については、ガイドラインの穴を突くような行為を防ぐため、あえて曖昧な表現を用いて禁止事項を加えています。

特徴的なガイドラインや海外のガイドラインについて
大手日本企業はガイドラインも細かく詰められており、さながらプライバシーポリシーや利用規約の様に項目分けをされガイドラインとなっているものもありました。
特にVtuber関連の企業では、イラスト、SNS、ゲーム、配信(投げ銭)、ミラー配信、動画、切り抜き、音楽、ライブ、3Dモデリングなど、ガイドラインで制定する項目も多岐に渡るため、他業界のガイドラインよりもかなり分量のある印象を受けました。

https://www.anycolor.co.jp/guidelines/
「マジック:ザ・ギャザリング」の会社であるウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のガイドラインは、ガイドライン内にユーモアを交えたQ&Aを掲載しています。
自分はこういった遊び心は好きですが、日本ではあまり受け入れられないと考えこういった内容は取り入れていません。

https://company.wizards.com/ja/legal/fancontentpolicy
またSteamなどで配信されている大手の海外ネットゲームは動画収益海外の方法での販売は厳しく制限しているところがほとんどでした。つまり同人誌なども無料配布以外は違反、となるような制定です。
日本作品で販売をあらゆる方法で禁止しているガイドラインは1つもなかったので、このあたりは国ごとの考え方が色濃く反映されているようでした。

EAのIPポリシーに基づくEAコンテンツの使い方
https://help.ea.com/jp/help/faq/how-to-request-permission-for-ea-games-content/

https://www.epicgames.com/site/ja/fan-art-policy

https://www.riotgames.com/ja/legal
レジェスタがガイドラインで伝えたいこと
- 営利・非営利問わず、ファン活動であれば自由に楽しんでほしい
- 明らかに利益目的だけの行為や不適切な金儲けは違反とする
極論これだけです。常識の範囲内で楽しく自由に二次創作活動を行っていただけると、私としてもとても嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。