レジェンド・オブ・スターズでは、キャラクターをプレイするために必要なコストをエネルギーゾーンから支払うシステムを採用しています。
昨今の代表的なコスト制を採用したゲームでは、ほとんどの場合コストに同じ属性のカードを必要とします。
しかし、レジェスタではエネルギーゾーンのカードの属性に制限がなく、どの属性のエネルギーでもカードをプレイすることが可能です。
例えば、3エネルギーを必要とする水属性のカードをプレイする場合、エネルギーゾーンに火属性のカードしかなくても、火属性のカードを3枚ゲイン(横向き)にすることでプレイできます。

なぜ、このような仕様を採用したのか?
今回は、このコストシステムのゲームデザイン上の意図について詳しく解説していきます。
デッキ構築の自由度を広げる
一般的なTCGでは、コストを支払う際に同じ属性のカードを要求するシステムが多く採用されています。
これにより、以下のようなメリット・デメリットが生まれます。
メリット
- 強いカードだけを詰め込んだデッキの抑制(カードパワーのインフレの抑制)
- 多属性デッキにするほど事故(手札が噛み合わず何もできない状況)が増える(リスクとリターン)
デメリット
- 多属性デッキの実現が難しく、デッキ構築の幅が狭まる
- 色事故によってカードをプレイできないという窮屈なゲーム体験を生む
そこでレジェスタではエネルギーから属性の縛りをなくし、ある程度様々な属性のカードを混ぜても「とりあえず場にプレイすることのできる」というゲーム体験を与えることにしました。
またゲーム制作上の観点から、数か月でいくつもの新しいカードを製造・販売できる大手のTCG会社と違い、次にカードを製造できる期間も資金的・人的観点から長くなってしまうため、「少ないカードプールでも長く遊べる選択肢」を残したいという狙いもあります。
インフレを防ぐバランス調整
このゲームシステムは、先ほどの代表的なゲームのメリットと反対に、バラバラの属性で強いカードだけを詰め込んだデッキが強くなる傾向が考えられます。
そこでレジェスタでは、これはゲームデザインではなくカードデザイン側でバランスを調整することで解決することにしました。
「案内人サイクル」の活用
レジェンド・オブ・スターズの第1弾スターターデッキには、それぞれの属性に「案内人」サイクルのカードが存在します。

1エネルギーで場に出すことのできるキャラクターで、どれもデッキからカードを見て同じ属性のキャラクターを手札に加えることのできる能力を持っています。
これはレジェスタのカードでも破格の性能で、どのタイミングで使用しても弱くなりにくい便利なカードです。
しかし、デッキに異なる属性のカードを増やせば増やすほど、案内人の効果が使いづらくなるというデメリットがあります。
「様々な属性の強力なカードを詰め込むメリット」 vs. 「案内人の効果を最大限活かすメリット」
という選択肢が生まれ、プレイヤーがデッキ構築の方向性を考える楽しさが加わります。
このような形で、窮屈なゲーム体験の解消とデッキ構築の幅と選択肢を両立することを意図しています。
今後クラウドファンディングで販売・配布予定のブースターパックでは
- 「場に同じ属性のカードがあると発動する効果」
- 「エネルギーゾーンに特定の属性があると発動する効果」
など、属性を統一することのメリットをさらに強化するカードを収録予定です。
このように、属性の自由度を持たせつつも属性統一のメリットを持たせることでバランスを取っています。
裏側カードの管理を簡素化するため
レジェスタではキャラクターを裏側で場に出すことが可能です。
「コストを正しく払ったのか」を管理するために、裏で出したカードのコストをサイコロなどで管理します。

この時に属性を縛ってしまうと、「どのエネルギーカードで支払ったのか」まで管理をしないと正しく場に出したのかどうか後から判断できなくなってしまいます。
この問題を回避するため、エネルギーの属性縛りをなくし、どの属性でも自由に支払えるシステムにしています。
また、コストを操作するカード(エネルギーを増減するカードなど)についても、管理の煩雑さを防ぐため裏側で出す場合は使用できないといった対策を行っています。
自由度とバランスを両立したシステム設計
このような観点からゲームシステムの調整を行っています。
今後のブースターパックでは、さらに属性統一による新たな戦術を生み出すカードも登場予定です。
自由度の高いデッキ構築と、戦略的なプレイの両立を目指した本作のシステムを、ぜひ楽しんでください!