「レジェンド・オブ・スターズ」では、ライフを3000、キャラクターの基礎ステータスを100の倍数で設定しています。
仮にこれらの数値を2桁減らし、ライフを30、ステータスを1の倍数にしても、ゲームバランスが崩壊することはありません。
しかし、あえてこのような数値に意図して設定しています。
今回は、レジェスタのゲームデザインにおける数値の設定について解説します。
レジェンド・オブ・スターズのカードステータス
本作のキャラクターカードには、以下の数値が記載されています。
- コスト(1の倍数)
- スピード(1~9)
- ATK(攻撃力)(100の倍数)
- DEF(防御力)(100の倍数)
- DOWN(ダウン値)(100の倍数)
これに加え、手札の枚数、場のカードの枚数、ライフなど、ゲーム進行に関わるさまざまな数値が存在します。
結果として、プレイヤーは多くの数値を認識しながらゲームを進める必要があるため、数値の表現方法には工夫が求められます。
ステータスの変化を直感的に理解しやすくする
戦闘時や場の状況を考えた際、プレイヤーにとって最も重要なのはキャラクターの基礎ステータスです。
例えば、火属性のカード{炎を歩く影}のカードテキストには、以下の数値が記載されています。

- 「1(1枚)」(手札やコストに関わる数値)
- 「200」(ステータスに関わる数値)
レジェスタでは、手札やコスト、スピードなどの値は1桁~2桁の範囲で設定されることがほとんどです。
一方で、ATKやDEFなどのステータスに関する数値は3桁以上になっています。
こうすることで、「3桁以上の数字=キャラクターのステータスを変動させる要素」という直感的な理解を促すことができます。
プレイヤーが複数の数値を扱う際に混同しないよう、あえて数値の大きさに差をつけることで可読性を向上させています。
直感的に「大きな数字」を使う
「10」という数値は、大きいのでしょうか? それとも小さいのでしょうか?
単位もなく比較してもいないため「10」が大きいと感じるか小さいと感じるかは個人によって変わります。
例えば、海外発のTCGである「マジック・ザ・ギャザリング」や「ハースストーン」では、カードのステータスを1桁~2桁で表現しています。
一方で、「遊戯王」や「デュエル・マスターズ」のような日本のTCGでは、3桁~5桁の数値が使用されています。
この違いについて、興味深い考察がありました。
こちらの記事では「数値が大きいと感じるかどうかは、自国の通貨単位の影響を受ける」という仮説が提唱されています。
例えば、「10円」は非常に小さな額に感じられますが、「10ドル(約1500円)」であれば、それなりの価値があると感じるでしょう。

このように、数値の印象は文化的な背景によって異なるため、日本のプレイヤーにとって「大きな数値を扱う方が、より迫力があると感じやすい」という傾向があると考えられます。
例えば、ゲーム内で巨大なドラゴンをデザインした場合、
「10ダメージを与える!」よりも、
「1000ダメージを与える!」の方が、直感的に強そうに感じられるはずです。
このような感覚を考慮し、ライフを3000、ステータスを100の倍数で設定することで、ゲームのダイナミックさを演出しています。
ライフとステータスの数値バランス
カードデザインにおいて、特にATK(攻撃力)の設定はゲームバランスに大きく影響します。
初期ライフの約1/3~1/2程度が、通常のキャラクターが持つ最大ATKの限界値と考えられます。
この基準をもとに、「最も強いキャラクターはATK1000~1500のステータスを持つ」という設計を行いました。
その結果、ライフを3000に設定することで、キャラクターの強さのバランスが取りやすくなるという結論に至りました。
また、強力なキャラクターは4桁のATKを持たせることで、「通常のキャラクター(3桁)よりも格がある」という印象を与えたいという意図があります。
まとめ
これらの意図したデザインにより、戦略性を損なうことなく分かりやすく遊びやすいゲームデザインを実現しています。
今後もプレイヤーが直感的に楽しめるゲームバランスを目指し、調整を続けていきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
引き続き、「レジェンド・オブ・スターズ」をよろしくお願いいたします!