こんにちは。Legend of Starsを制作している長谷川と申します。
今回は簡単な自己紹介として過去に作ったゲーム、そしてレジェスタを作るきっかけについて紹介します。
過去に制作したゲーム
皆さんはゲームを作ったことがありますか?
もしくは「こんなゲームを作ってみたい!」と考えたことがありますか?
思い返してみると、自分は過去に4つのアナログゲームを作ったことがあります。
すごろくと迷路
最初に作ったゲームは幼少期の頃のものです。A3サイズくらいの画用紙にすごろくを描き、その上に父が虫の絵を描いて完成させたのが始まりだったと思います。
その後、迷路作りにもハマり、休み時間に自由帳いっぱいに迷路を描いていた時期もありました。
アナログの立体迷路
次に作ったものは[電脳迷路ゲーム A~!!]というゲーム。ご存じでしょうか?
株式会社タカラトミーから販売された玩具で、透明の球体に立体型の迷路が敷かれておりその立体迷路から落ちないように鉄の球を転がしていくというゲームです。

そのゲームに影響を受け、方眼用紙を切り貼りして立体迷路を作り、ビー玉を転がして遊んでいました。自分なりにアイデアを盛り込みながら、独自の迷路を考えるのが楽しかったことを覚えています。
レゴを駒にしたボードゲーム
安価な折りたたみ式将棋盤とレゴブロックを組み合わせて、レゴを兵士に見立てた対戦型ゲームを制作しました。
アイデアの着想元はPCゲーム「Age of Empires」で、ターン制で農民が材料を集め、その材料で兵士を作成して相手の陣地を攻め落とす…という内容のゲームです。

面白い要素もあったのですが
・盤面が膠着しやすく2人対戦なのに1回のゲーム時間が非常に長かった
・オリジナルで作ったカード要素の運が高く、効果も強かったためバランスが悪かった
・将棋盤や大量のレゴブロックが必要で、コストが高かった
などの理由から、製品として販売するのではなくブラッシュアップもせずにあくまで友達間でひっそり遊ぶ程度のボードゲームでした。
ゲームマーケットで販売したボードゲーム
4つ目もボードゲーム(当時ボードゲーム自体にハマっていた)。これは一度だけゲームマーケットで販売したこともあります。
自分にとって初めての「販売を見据えたゲーム」でした。
ただゲームを作るだけでなく、納期や製造、製造数に対する製造原価と損益分岐点、イラストや背景、製造会社に提出するフォーマットやデザイン、SNSのPR、玩具に関する法律知識など、周りの方々の力を借りながら「自分の作ったものを売る」という考えの基盤を作れた気がしています。
そして、今回、5つ目のゲームとして[Legend of Stars]を制作しました。
ゲームの作り方
ゲームを作るとき、主に2つのアプローチがあると考えています。
1.物語や日常の事象が先にあり、それをルールに落とし込んでいく方法
2.先にやりたいルールがあり、それに事象を肉付けしていく方法
例えば、「お花畑を作るゲーム」を制作すると仮定してみましょう。

前者のアプローチ
「一番きれいなお花畑を作るゲームにしたい!」という事象が先に決まり、そこからルールを作っていきます。
ここで、「競り下げ方式」という競売方法を取り入れた例を考えてみます。
競り下げ方式では、高い金額からスタートし、価格が徐々に下がっていく中で、最初に手を挙げた人が商品を購入する権利を得ます。この仕組みを利用して、「花を仕入れるために競り下げ方式のルールを入れたゲーム」を構築していきます。
後者のアプローチ
一方、「競り下げ方式を使ったゲームが作りたい!」が先にある場合、そこから肉付けしていきます。
「競り下げ方式で競うゲームのために、花を買う設定を入れよう」 → 「買った花を植えて花畑を作るゲームにしよう」という形で進めていきます。
Legend of Starsの特徴
私の場合、後者の「先にやりたいシステムを考える」アプローチを取ることが多いです。
オリジナルトレーディングカードゲーム(以下:TCG)を作るにあたってまず取り入れたかった大きな要素は「移動」と「先手後手」です。
移動とはその名前の通り、場に出したキャラクターが盤面を動きながら相手を攻撃していくといった要素を取り入れたかったのです。
「ボードゲームで駒を動かす楽しさ」をTCGで実現できるといいなというところから始まり、難しくなり過ぎないよう盤面の広さや概念を考えて落とし込んでいきました。
2021年10月にSteamでリリースされたローグライクデッキ構築ゲーム[Inscryption]はレジェスタのゲーム要素の基礎に影響を与えています。

一方で[Inscryption]はPCゲームであるためにコストや能力の管理をアナログで行うには難しいシステムが多く(どちらかといえばボードゲームの要素のほうが強い)、カードの能力やゲーム進行システムについては既存のTCGの要素を取り入れていきました。
先手後手の決定にデッキ構築の実力介入要素を入れる
TCGでは基本的に先手が有利のゲームと言われています。
これは基本的に先手側からカードを場に出していけるため、先手が脅威を出し後手はそのカードに対処する必要があります。
そうすると新たに先手が新たな脅威を出し、それを後手が対処する…常に対処を迫られる後手のほうが一般的には勝ちづらいのです。
そしてそれはカードゲーム初期の牧歌的でターンの長いゲームから、歴史が流れカードプールが広くなり低コストで強いコンボや強力なカードが増えるほどに如実に表れていくと考えています。先手が強すぎる結果「じゃんけんゲーム」と揶揄される対戦環境が出来てしまうことがあるほどです。

これだけ大きく勝敗に直結する要素にもかかわらず、自分の知る範囲のTCGはどれもじゃんけんやサイコロなどの100%の運によって決定しています。
自分はそれにずっと疑問を持っていて、先手後手にも何かしら運と実力のバランスの取れる要素を作りたかったというところから、”スピード”というアイデアが生まれました。
(実力と運についての記事も今後書こうと思っています)
結果的にゲームを開始する際に若干の”手間”がかかってしまいますが、スピードも考えてデッキを構築するという奥深さも味わってもらえると嬉しいです。
カードを移動させる楽しさ、先手後手の構築によるフェア感をレジェスタを通して体感してもらえたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
・タカラトミー 『電脳迷路ゲーム A〜!!(あ〜!!)』 7/16(金)新発売
https://www.takaratomy.co.jp/product_release/pdf/p100701.pdf
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』エイジ オブ エンパイア シリーズhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%B8_%E3%82%AA%E3%83%96_%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%A2_%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
・Steamストア Inscryption
https://store.steampowered.com/app/1092790/Inscryption/?l=japanese
・かわいいフリー素材集 いらすとや
https://www.irasutoya.com/