皆さまこんにちは。
『レジェンド・オブ・スターズ』開発責任者の長谷川です。
今回は、プレイヤーや支援者の方々からよくいただく「どのようにしてカードデザインを考えているのか?」というご質問にお答えしたいと思います。
現在発売中のブースターパック第1弾『Catch the Future!』を例に、私が実際に行っているカードデザインの進め方をいくつかの視点からご紹介します。
スターターデッキのカードデザイン方針
ブースターパックと違い、スターターデッキには特定のカードが必ず封入されているため、デザインの進め方にも違いがあります。
『レジェスタ』は50枚で構成されたデッキで戦うため、まずはその50枚を「どのようなカード比率で収録するか」という枠組みから考え始めます。
「キャラクター」「エフェクト」「サポート」の各カテゴリの枚数比率を決め、それぞれに「何コストのカードを何枚入れるか」という形で細かい枠を作成します。そこにデッキコンセプトに沿った効果を割り当てていくのが基本的な流れです。
キャラクターカードについては、さらに「効果を持つもの」と「効果を持たないもの」のバランスも決めています。

結果として、若干バランス調整のためにカードのコストを上下させることはありますが、基本的にはこの設計方針に沿って作っているため、スターターデッキ第1弾の4種は、ほぼ同じコスト帯のキャラクターカードが同じ枚数収録されている構成となっています。

ブースターパックのカードデザイン方針
一方でブースターパックのカードは、より自由な発想のもとでデザインされています。思いつきをベースに制作が始まることも多く、柔軟な発想が求められます。
全体のカード比率からデザインする
すべてのカードデータはスプレッドシート上で管理しています。属性やカードタイプを関数で自動カウントできるようにしており、現時点で「どの属性・タイプのカードが何枚あるか」を把握できるようになっています。

これにより、「木属性のカードが少ないから増やそう」「最近エフェクトカードが少ないから作ろう」といった判断ができるようになっています。
面白い動きが期待できる能力からデザインする
これまでのカードプールにはなかった、ユニークで対処の難しい能力を軸に新カードを作ることがあります。
プレイヤー同士が「どう使う?どう対処する?」と考えるようなコンセプトを大切にしています。
たとえば、相手が代わりにダウンダメージを受ける{夜明けの毒誘い}や、アタックするとダウンしてしまう{自壊する炎狼}などは、こうした発想から生まれました。


また『レジェスタ』は「キャラクターを動かして戦う」ことが特徴のゲームなので、「このキャラがこう動いたら面白い」という視点から生まれたカードも多いです。
相手ターンに動くことができる{エレクトリス・D・アーマー}や、自分の移動に合わせて別のキャラも動く{氷奥の少女}などがその例です。


実在するモノや事象をカードに落とし込む
日常生活の中で体験したことや新たに知った知識を、「カードにするならどういう能力だろう?」と考えることもあります。
たとえば{訓練された囮}や{訓練された鷹}は、東京都中央区の「浜離宮恩賜庭園」を訪れた際に、そこでかつて行われていた鷹狩に着想を得て制作したカードです。


実際の鷹狩の要素をうまく取り入れた動きに仕上げています。




イラストからカードデザインを考える
AIイラストの登場によってはじめて行えるようになったデザイン方法です。「何も決まっていなくて、何でもいいから大量にイラストを描いて」とイラストレーターの方に依頼することは難しいためです。
大量にランダムプロンプトを使ってイラストを保管しておき、そのイラストの中から「このイラストならどんな属性・どんな能力を持っているだろう?」という視点からカードを作っていく方法です。

感覚の話にはなってしまいますが、能力からカードを作り後からイラストをはめると「なんか違うな…」とイメージが合わないことがありますが、この方法だとそれがなくスムーズにカードデザインを進めることができます。
Legend of Starsではカードイラストにイラストレーターと生成AIをどちらも利用・依頼して制作しております。
生成AIを使用しての著作権の取り扱いについては文化庁の[令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」]の資料基準を基に作成し、随時更新されるガイドラインに従い利用していく予定です。
詳しくは下記[AI生成イラストの利用について]をご確認ください。

最後に
今回は『Catch the Future!』を例に、カードデザインのさまざまなアプローチをご紹介しました。
今後の開発でも、プレイヤーの皆さんが驚き、楽しめるようなカードを届けられるよう、さまざまな手法で試行錯誤を続けていきます。
引き続き『レジェンド・オブ・スターズ』をよろしくお願いいたします!