レジェスタではカード効果のテキストに、いくつかの工夫を加えて実装しています。
今回はプレイ中には気づきにくい、カードテキストに関する裏側を紹介します。
そのテキスト、合計何文字?
カードテキストは長くすればするほど、さまざまな条件や効果を追加できます。これによりゲームの奥深さが増す一方で、文章が長くなると理解が難しくなり、初めてプレイする人にとっては手を出しづらいカードになることもあります。
たとえば以下のように条件や効果を追加すると、文字数はどんどん増えていきます。
- このカードが場に出た時、場のカードを1枚破壊する。(25文字)
- このカードが場に出た時、相手の場のキャラクターカードを1枚破壊する。(34文字)
- このカードが場に出た時、相手の場のスピードが5であり水属性のキャラクターカードを1枚破壊する。(47文字)
- このカードが場に出たか、自分の場に他のキャラクターが出た時、相手の場のスピードが5であり水属性か火属性のキャラクターを1枚破壊する。(67文字)
- このカードが場に出たか、自分の場に他のキャラクターが出た時、相手の場のスピードが5であり水属性か火属性のキャラクターを1枚破壊する。この効果で火属性キャラクターを破壊した場合、自分はカードを1枚引く。(101文字)
- このカードが場に出たか、自分の場に他のキャラクターが出た時、相手の場のスピードが5であり水属性か火属性のキャラクターを1枚破壊する。この効果で火属性キャラクターを破壊した場合、自分はカードを1枚引く。この効果で水属性キャラクターを破壊した場合、相手は手札からカードを1枚捨てる。(140文字)


25文字のカードはシンプルですぐに理解できますが、140文字のカードは「うわ、読むのめんどくさいな~」という印象を与えてしまうでしょう。
カードの差別化や調整のためにある程度の文字数が必要なこともありますが、「本当にここまで情報を詰め込むべきか」は一考する必要があると思います。
文字数の管理と調整
レジェスタではすべてのカードテキストの文字数をスプレッドシートで管理しています。200文字に迫るカードについては効果の一部を削ったり、条件を緩和して文字数を減らしたりする作業を行います。

さらに個別のカードだけでなく、デッキ全体の文字数も意識しています。スターターデッキ4種(2025年9月時点)では、21種類のカードの合計文字数が1500文字を大きく超えないように調整しています。1枚あたりの目安は70~80文字程度です。
スターターデッキは特に初めてゲームに触れる人が多い商品のため、気を使って制作を行っています。
効果を持たない、いわゆるバニラカードも収録することで文字を読む必要のない箸休め的な意味合いも持たせています。



キーワード能力で文字数を減らすときの注意点
頻出する効果はキーワード能力にすることでテキストを短縮できます。レジェスタでも[上空][スピード耐性][2回攻撃]などを導入し、テキストをコンパクトにしています。



キーワード能力は便利な一方で、初めてゲームを触る人がキーワード能力を理解できない(どういう効果なのかを覚える必要がある)というデメリットがあります。
レジェスタの場合、キーワード能力は次の点に注意しています。
- 挙動をシンプルにする
効果が複雑だと覚えるコストが増え、初めての人が理解しづらくなります。 - 直感的な名前にする
たとえば[2回移動]なら「多分この能力は1ターンに2回動けるのだな」と直感で理解できると思います。
難しい言葉は避け、覚えやすさを優先しています。
またスターターデッキでは、すべてのキーワードに括弧書きで補足を入れ、初心者でも理解しやすい設計にしています。


意外とできていない!テキストの統一
カードテキストは最初は思いつきで書くことが多いため、気づかないうちに表現がバラバラになりがちです。
たとえば攻撃力を上げる場合も、
- このカードのATK+200する
- このカードのATKを+200する
- このカードはATK+200される
- このカードのATK+200
といった具合に揺れが生まれます。レジェスタでは他のTCGも参考にしながら、時制や条件、能力の順番、句読点の位置までルールを整理し、スプレッドシートで管理しています。

カードが増えればどうしてもミスは発生しますが、できる限り統一することで読みやすいカードを目指しています。
まとめ
カード効果の文字数や表現は、ゲームの遊びやすさに直結します。
そういった視点で改めてレジェスタのカード効果を読んで楽しんでもらえたらうれしいです。